ペナン島 バリクプラウの歩き方

他の記事と順番が前後してしまったが、ドリアンツアー2025春編、ペナンでの3日目のお話。
最初の2日間はジョージタウン内に留まっていたが、せっかくドリアンの聖地ペナン島へ来たのに市街地に篭っていては勿体無い。
ということで、再度バリクプラウへ向かことにした。
今回はバリクプラウのうち北西側のドリアン農園を巡ることにした。
ちなみに、青枠の上半分はプラウペナンという住所で、正確にはバリクプラウではない。
だが、ドリアン産地の文脈で語られる際にはペナン島の山間部一帯がバリクプラウとされることが多く、今回もそれを踏襲しこのエリアもバリクプラウと称させていただく。

青枠で示したエリアに行くためにはいくつかの方法がある。
バス、タクシー、徒歩、レンタカー、レンタル自転車などである。
・徒歩
ジョージタウンからバリクプラウまで歩くのは流石に無理として、バトゥフェリンギあたりから歩けるのではないかと考えてた。
しかし地図を調べると、山頂のDurian Tree Houseまで15.8km, 3時間40分と出てきた。
蒸し暑いペナンでこんなに歩いたらどれだけ水が必要になることやら。
異国の地ということを考慮すると、これは体力に自信のある人にもおすすめできない。
・レンタカー
マレーシアのレンタカーは日本より価格が安く、小型車であれば4000円程度から借りられる。日本人がマレーシアで運転するには国際免許証が必要だが、これは日本で警察署や免許センターなどで即日発行可能。
自由にドリアン農園を行き来できるため、正直これが最強の手段だ。
しかし、私はペーパードライバーであることと、バリクプラウ山間部の道は舗装されているものの狭く曲がりくねってるためあえなく断念。
異国での運転に自信があれば、レンタカーでドリアン農園を回ってみるのも良いだろう。
・レンタル自転車
ジョージタウン市内やバトゥフェリンギ周辺にはレンタル自転車やシェア自転車がある。電動アシストもレンタルされておりレンタカーより安く免許が不要で行ける点もメリット。
しかし問題はジョージタウンから片道30km、しかもバリクプラウ山間部は200mほどの登りがある。
しかも東南アジアの山間部なので天候も変わりやすい。
ということでこちらも断念。
ただしロードバイクで走っている人を見かけたので、普段から走り慣れている人であれば問題ないかもしれない。
・バス
ジョージタウンからバリクプラウ方面のバスは、下図に記した青い矢印、赤い矢印の方面で出ている。
どちらも今回の行動エリアの手前が終着駅となっており、オレンジの矢印の区間は山道が細いせいかバスは通っていない。
そのため、バスでアクセスする際はどちらの方面からであろうと終着駅で降車し、そこから徒歩で向かうことになる。
また、このオレンジの矢印で示した区間は矢印中央付近に向かって登り勾配となっている。
高さは200m程度と決して高くはないが、ペナンは通年蒸し暑いため、体力に自信がある人以外にはおすすめできない。
また、赤い矢印で示したジョージタウンからの行き方は片道で2時間近くかかる上に、帰りのバスも1~2時間程度の間隔でしか走っていないため要注意だ。

・タクシー(Grab) & 徒歩
最終的に選んだのは最も簡単なこの手段。
まず、ジョージタウンからバリクプラウ山間部までのGrabは簡単に捕まる。
料金は800円程度だったと記憶している。
問題は帰りだ。
例えば以前紹介したこちらのドリアン農園は、最寄りの市街地であるバトゥフェリンギから車で40分程度の場所であるため、よっぽど運がなければGrabは来てくれない。

そこで自分が選んだおすすめ手段は、Grabで山頂のドリアン農園まで行った後、徒歩で山を下ってバリクプラウの町まで行き、そこでGrabを拾って帰る方法だ。

これなら下り坂で山歩き(とはいっても道路だが)を楽しみつつ、帰れずに山を彷徨うこともない。
さて、スタート地点は604ドリアンを食べたDurian Tree Houseだ。


ここから山の麓にあるバリクプラウの町まで下っていく。
道はこんな感じで歩道のない道路ではあるが、車の通りもそこまで多くない。
後方さえ注意していれば十分歩ける道だ。
むしろ、人目のつかない山道を歩くよりよっぽど安心だ。

そしてこの道中が非常に面白かった。
なんと、子供のドリアンが落ちていたり。

こちらはジャックフルーツだろうか。

可哀想に、轢かれてしまったヘビや

もう少し成長したサイズのドリアンも。
中の実は既に食べられていた。
小型の哺乳類や昆虫からしたら高カロリーで最高のディナーであろう。

そして、道沿いはドリアン農園になっているため、木になっているドリアンを眺めながら歩くこともできる。
この高く目立った木はドリアンの木だ。

目を凝らすと、あちこちにドリアンが結実している。
流石にこの距離だと何の品種か分からない。

道を下っているとドリアン屋が見える。
しかし近づいてみると、どうやら廃業しているようだ。
ドリアンは一大産業で、ペナン島はドリアンツーリズムによる経済発展も掲げているが、その分競争も激しいのだろうか。

マレーシアのドリアン農園はドリアンを確実に収穫するために、ドリアンの木の間にネットをかけることが一般的である。
しかし、公道の上にまでネットをかけるのがマレーシアの凄いところ。
日本で落石防止のネットや金網が道路の上に掛かっているのは見たことがあるが、ドリアン落下防止用のネットは初めて見た。

2Acres Cafeの手前にあったドリアン店。
バリクプラウ産猫山王に惹かれて入りたくなったが、2Acres Cafeに行くと決めていたので鬼の心でスルー。

山頂のDurian Tree Houseから30分ほど歩いて2 Acres Cafeに到着。
いくら下り坂とはいえ、真夏の気温で40分近く歩くのは少し疲れる。
2 Acres Cafeは以前に600ドリアンを紹介したところ。


2 Acres Cafeを出て道を下ると、数百m先にまたドリアン屋が。

またそこから数百m歩いたところにもドリアン屋が。
こちらは批发と書いてあるのでので卸売りのようだ。

このドリアン店を通り過ぎると、ようやく町に出る。
タイミングが良ければバスで帰ろうかとも思ったが、時刻表を見ると次のバスは1時間40分ほど来なそうだった。

ペナン村の石碑(?)が。

来た方向を見返すと、鬱蒼と生い茂った山が。
なんとも長閑な田舎町といったところか。

しばらく歩くと、またドリアン屋が。
流石に604ドリアン、600ドリアンを食べて満腹なので今回はスルー。

村は歩き続けてもあまり何もなく、流石に暑さで疲れてきたためこのドリアン屋の近くでGrabを拾い、ジョージタウン方向に戻ることにした。
この村の通りであれば、Grabは容易に捕まるようだ。
Grabに乗りながら歩いてきた山道を見ると、バリクプラウの山道は曲がりくねって細い箇所も多いので、自分でレンタカーを借りるなどと無謀なことをしなくて正解だった。
せっかく島の北部を通るので、ジョージタウンに戻る前に夕方のバトゥフェリンギビーチに立ち寄って、散策してから帰路に着く。
昼に来ると強烈な日差しで人がまばらなビーチも、少し涼しい夕方になると家族連れやカップルが増える。

さて、今回紹介したバリクプラウ。
ただペナン島を観光するだけなら殆どの人が来ることのない場所だろう。
実際、前回にペナン島に来た際には自分もスルーしていた。
ましてやわざわざ不便な山の中まで行って山道を歩くなどもってのほかだ。
しかし、ドリアンのお陰で今までに見向きもしなかった地域にこうして足を運び、様々なものを見て、食べて、経験することができた。
今回紹介したのはバリクプラウのほんの一部に過ぎない。
他にも有名なドリアン農家やドリアン店などが多く存在する。
ペナン島に長めの日程で滞在される方は、ぜひバリクプラウを自分の足で散策していただきたい。