謎のドリアンの正体@コタキナバル
ドリアンツアー2025夏編、7日目の夜。
この日はコタキナバルで過ごす最後の夜。
昼に野生種ドリアンDurio Graveolensと出会うことができたため、ナイトマーケットでもDurio Graveolensが売っているのではと期待を込めて訪れてみることに。

思った通り、ナイトマーケットでもDurio Graveolensが入荷していた。
やはりこの日を境に市内に流通し始めたようだ。

前回紹介した通り、Durio Graveolensはトップクラスに美味い。
最終日の締めドリアンとしてこのDurio Graveolensを選ばない手はない。
店員さんの「1, 2, 3, whoa~, oh my god!!!」の掛け声と共にドリアンを開けてもらうのもこの夜が最後だ。

さあ、コタキナバル最後のドリアンの味は、、、

やはりDurio Graveolensはめちゃくちゃ美味い!!!
2度目でも驚く美味しさ。
自然に作られた味とは到底思えない、まさにカスタードのような味。
そして極上の滑らかさ。
前回食べたDurio Graveolensが当たりだったわけではなく、Durio Graveolens自体のポテンシャルが高いことを確認できた。
Durio Graveolensも食べて満足し、店を出てホテルに向かって歩き始める、、、
そのとき、ふと目に入るものがあった。

そう、以前紹介した偽物の野生種ドリアンだ。
上の写真では左側に積まれているのが偽物の野生種、黄色いプレートが立てかけられている4つのドリアンが本物の野生種Durio Graveolensだ。
Durio Graveolensの方が明らかに棘が細長く違いは一目瞭然だ。

以前に偽物の野生種を購入した際は、棘の細さなどを問い詰めてもスタッフが英語が苦手など言い訳をされて逃げられてしまった。
しかし今回は横に本物があるので、その違いを問い詰めるには絶好のチャンスだ。
いざ話しかけてみる。
自「これは野生種ドリアン?」
店「そうだ」
自「でも横の奴が本物じゃない? 棘の細さも形も全然違う。」
店「いや、これもジャングルドリアン(=野生種ドリアン)だが異なる種類だから形が違う。」
自「ネットでも調べたけど、これは棘の形が明らかに野生種じゃない。本当はハイブリッドなんじゃないの?」
店「ハイブリッドという英語がわからない」
らちが空かない。
自「ハイブリッドはミックスという意味だ。本当は野生種と何かのミックスなんじゃないの?」
店「あぁ〜、ミックス! そうだ、これはミックスだ」
おい店員!
野生種というのはやはり嘘だったではないか。
自「で、何と何のミックスなの? 」
店「他の店員に確認してみる。」
店「ジャングルドリアンとDurian SUSUだ」
解決!!!
以前紹介した謎のドリアンは、野生種Durio Graveolensと商業品種 SUSUのハイブリッドであった。
騙された感もありキレ気味になってしまったが、あの謎ドリアンはかなり美味しかったため許すことにした。
また、この情報をネットにあげておくことで、あのハイブリッドを野生種だと勘違いして購入してしまう人が減ることを祈る。
ちなみに私は SUSUはまだ食べたことがない品種だ。
SUSUは以前に見かけている品種だが、実はSUSU自体も厄介な品種であり、SUSUと呼ばれているドリアンには全く異なる品種の2つがあるとされている。
SUSU自体は割と廉価な品種であるため、謎ドリアンが非常に美味だったのはDurio Graveolensの影響が大きいと思うが、ハイブリッドになったことで純粋なDurio Graveolensとは違った美味しさが生まれたのだろう。
そう考えると、野生種だと偽らずにハイブリッドとして売った方がより売れるのでは、、、
さて、今回のDurio Graveolensがコタキナバルで食べた最後のドリアンとなった。
コタキナバルでは計10種類のドリアンを食べることができたが、それはこの島で売っているドリアン品種の半分にも満たない。
そして何より、Durio Graveolensに存在するオレンジ色、赤色のバリエーションや他の野生種ドリアンには最後まで出会うことができなかった。
豊富な自然と充実したドリアン品種を持つコタキナバル、ぜひまた再訪したいと思うと共に、日本では決して有名とは言えないこの地に光が当たることを願うばかりである。

