追熟型ベトナム産ムサンキングを食す@ホーチミン

前回に引き続き、ホーチミンで出会ったドリアンについて紹介する。
せっかくベトナムに来たのだからベトナム品種のドリアンを食べようとドリアン店をたくさん巡っていたのだが、なかなか新しい品種に出会うことができないでいた。
新しい品種を見つけても、まだ熟れていないなどで買うことができなかったケースもいくつかあった。
ちなみにベトナムでは未熟の状態は美味しくないとされ、仮に店頭で並んでいても追熟しきるまではカットで買うのを断られる。
これは追熟しきった状態が好きな私にとっては、未熟品をつかまされる心配がなく非常にありがたい文化である。
そんなわけで、今回は敢えてベトナム産の猫山王を買ってみることにした。
猫山王ならマレーシアで買えばいいじゃん、と思われるかもしれないが、ベトナムで買ってみたかった理由がある。
それは収穫方法の違いだ。
マレーシアのドリアンは完熟して木から自然落下した後に収穫され、その日のうちに店頭に並び販売される。
一方、ベトナムやタイのドリアンは完熟前に剪定して収穫され、流通過程や店舗で日数を置き追熟させてから販売される。
タイとマレーシアでは流通する品種が全く異なるため、味を比べた際に収穫方法の違いによるものか、品種の違いによるものかが判別し難い。
一方で、ベトナムではマレーシア品種である猫山王が流通しており、同じ品種の異なる収穫方法による味の違いを体感するにはうってつけなのだ。
ということで、今回はこちらのスーパーでベトナム産猫山王を購入した。

猫山王は339,000VND/kg。
日本円だと約1900円、マレーシアリンギットだと約55MYRだ。
思ったほど安いわけではない、というかマレーシア産の安めの猫山王と同じくらいの値段だ。
今回買った玉は1.3kg、約2500円。

猫山王の特徴であるお尻の模様は、ベトナム産でも変わらず。

ここはドリアン専門店ではなくスーパーなのだが、その場で切ってパック詰めしてくれる。
それにしても、やはり猫山王は色が鮮やかだ。
もう見た目からして濃い。

\ドンっ/
こちらが追熟されたベトナム産猫山王だ。
正直、マレーシア産の完熟で収穫されたものと見た目は殆ど変わらない。

店の中では食べれないので、近くの公園に移動。
さて、追熟型のベトナム産猫山王の気になる味は、、、

美味い!
さすが猫山王、ねっちりした食感が半端ない。
そして味の濃さも健在。
Ri6も濃いめのドリアンだったが、やはり猫山王はそれの遙か上を行く。
ただ、確かに味は他のベトナム品種より濃いが、やはり完熟型のマレーシア産猫山王には一段階劣る気がする。
特に、猫山王としては苦味が薄めに感じる。
やはりここあたりは追熟の限界といったところか。
それでも、今回食べたベトナム産のどの品種よりも濃い味であることには間違いない。
追熟でもしっかりと濃い味が出てくる猫山王はやはり凄い品種だ。
今回、結果としてはやはり完熟>追熟という形にはなったが、ベトナムでも十分美味しい猫山王が食べれることがわかった。
しかも少し安めに。
もしベトナムのローカル品種を食べ尽くしたら、ぜひ手に取っていただきたいベトナム産猫山王。
また、ベトナム国内において完熟で収穫されたドリアンも稀に出回っているため、もしかしたらベトナム産完熟猫山王にも出会える場所があるかもしれない。