ツパイキング ドリアンを食す@ペナン島

ツパイキング ドリアンを食す@ペナン島

ドリアンツアー2025春編、ペナン滞在4日目。

午前にレッドプローンを食べ、空腹になるのを待ってから再度街へ繰り出す。
前半はJIn Macalister周辺のドリアン店ばかり回っていたため、ストリートアート周辺を観光しながら、以前寄ったことのあったドリアン店Sugar Societyを覗いてみた。

Sugar society & Cendol durian Armenian Street Art · 29, Lbh Armenian, Street, 10200 George Town, Pulau Pinang, マレーシア
★★★★☆ · カフェ・喫茶


何のドリアン品種が置いてるかな〜と中へ入ってみると

!!!


ツパイキングがある!?!?


今回のドリアンツアーでペナンを訪れる際に、食べたい品種の一つとしてツパイキングがあった。
しかし、今年は天候のせいでツパイキングの結実が少し遅めとの情報があり、今回のペナン訪問中には食べられないのではないかと諦めていた。
そんな中で、まさかツパイキングに出くわすことができた。

そもそもツパイキングとは何か。
ブランド名: Tupai King/松鼠王
品種番号: D214
日本語読み: ツパイキング

ツパイキングは、ここ数年で急速に名を上げている品種である。
ペナン バリクプラウ発祥の品種で、現在マレーシアのトップに君臨する猫山王,黑刺を超える新たなトップ品種との期待の声が上がっている。
品種番号のD214という数字から、新しい品種であることが分かるだろう。
ただ、この木を持っている農園はペナンの2, 3カ所のみと言われており、生産量が非常に少ない。
年間(実質的にシーズンの2ヶ月間)で出回る個数は1000個程度と言われている。
そのため、猫山王や黑刺と比べてもずば抜けて価格が高い。

そんなツパイキングは偽物も問題になっている。
フルーツに限らず、有名でお高いものには偽物が付き物ではあるが、ドリアンも例外ではない。
以前、シンガポールのインフルエンサーがツパイキングの食レポをしたが、偽物を見事に掴まされて笑い物になったという話があった。

‘Tupai King’ or just Mao Shan Wang? Singaporeans fall victims to mislabelling, marketing to fork out for variety not even sold outside Malaysia
SINGAPORE, Sept 22 — The rise in popularity of new durian varieties from Malaysia such as the elusive Tupai King may have created confusion among enthusiasts and sellers alike in…


実は先日、ペナンの別の店舗で一度ツパイキングに遭遇している。
しかし、その店のGoogleマップのレビューの低さや、実にツパイキングの特徴があまり見られなかったことから購入を見送っていた。

今回、そのツパイキングとされるドリアンのお尻を見てみる。

確かに、ツパイキングの特徴とは一致している。
棘が消えて、まるで棘の間に枯れ草でも詰まっているかのような見た目のお尻をしている。
プロではないため確信はないが、以前に別店舗で見たものよりはよっぽどツパイキングらしい見た目を有している。

130MYR/kgと強烈な価格、しかしここまで来て躊躇することはない。
航空券に比べれば安いのだから。

ということで、いざ購入!
値段は考えたくないので、あえて文字に起こさない笑

開封の儀

\ドンっ!/
見た目はなかなか荒々しい。
お世辞にも美しくはない。
以前にネットで見たツパイキングの写真も、房の付け根の白い部位(みかんで言うとアルベド?)が他の品種に比べて大きかったため、この品種の特徴なのかもしれない。

そんなツパイキングをいただく。
気になるお味は、、、

美味い!
まず苦みはあまりない、甘さは適度だ。
苦味と甘味については、並のドリアン品種と大きく変わらない。

問題は風味だ。
なんか食べたことがない風味がする笑
例えがたい独特の香りがある。
フルーツというより、何か木の実のような、豆類のような。
ドリアンとしては初めて体験する香りだ。
うっすらアルコールっぽさも感じるが、D24 XOの風味とも異なる。

房ごとの味は安定しており、違いはない。
食感は適度なクリーミーで食べやすく、滑らかな口触りだ。

そこそこ大きめの玉だが、味を探るため自分の味覚の限界に挑戦するように食べ進めていたら、あっという間に1玉を食べ切ってしまった。
食べきれなかったらパックにしてもらって持って帰ろうと思っていたが、その考えは杞憂だった。

さて、ツパイキングを食べ終わって思う。
現状ではツパイキングは過大評価されていると感じる。
もちろん美味しかったが、少なくとも自分にとって130MYR/kgの価値は感じられない。
最高級グレードの猫山王や黑刺を買ってもお釣りが来る価格である。
せめて猫山王や黑刺と同等の60~80MYR/kg程度が妥当かな、というのが正直な感想だ。

現状は味そのものの評価よりも、希少性という点で価格が上がっているのではなかろうか。
猫山王や黑刺のようにコンテストで優勝しているわけでもない
本格的に流通してくれば、価格も小慣れてくるのではと期待する。

ただ、次世代の王と期待される実力を自分の味覚が把握しきれていないだけかもしれない。
また機会があればツパイキングに再チャレンジしてみたいと思う。